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我慢なので。懐古中年、Goes on!

無職を続ける、好き嫌いの激しい中年が、80’sアニメ、音楽、映画等、趣味を懐古しながら、日々の生活を節約し、我慢を続けて行くブログ。

日本軍SFホラー「ミカドロイド」です。

 みなさん、こんにちわ。水の心です。

今日は、原口智生、第一回監督作品「ミカドロイド」です。

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 この作品を初めて観たのは、皇太子徳仁親王(なるひとしんのう)と小和田雅子さんの結婚が決定した1993年、確か結婚の儀の日の午後から、フジテレビ系列の地方局で放映した時です。

 

 1980年代から90年代にかけて、アナログ放送では、学生の長い休みに合わせて、まとめてOVAを放映する事がありました。

例えば、押井守監督の「迷宮物件」米国で異常な人気が出た「装鬼兵MDガイスト」Ⅰ、Ⅱ等、いい作品がかなり普通に放映されていました。

 かつてテレビ局の大人達は子供達に対して、面白い娯楽物、教養のある物を見せようと、枠を作りました。いい時代です。

 

そして「ミカドロイド」は放映されました。

 

いきなり題字「実相寺昭雄」とあり、円谷関係で有名な監督さんだ程度は知っていたので、「おー特撮か?」と思いつつ観始めました。

 

 監督は、特撮メイクアーチスト、特撮畑出身の原口智生氏。

主演は富田「吉田友紀」彩子「洞口依子」岡崎「渥美博」りじゅう「津田卓也」らで進行します。

  今調べてわかったのが、劇中「りじゅう」と呼ばれていた男の漢字なんですが、「利重」と書くそうです。役者は「津田卓也」氏。多分引退されているのか、「ミカド~」以外で名前は出てきません。

 

 他の出演者は、博士「伊武雅刀」守衛「毒蝮三太夫木賃宿の男「マーちゃん」友情出演「森本レオ」「林海象」監督「手塚眞」監督「黒澤清」監督「破李拳竜」他にも、グラビア、セクシーアイドル等なにやら、監督の業界人脈が全開です。

調べると、謎の「マーちゃん」は俳優で、1960年代の東宝ゴジラのミニラの着ぐるみの中の人でした。また長年の謎が解けました。

 

 私が、非常に共感したシーンは、主人公の富田が冒頭、電気設備の修理で、既に時間は日付変更付近で超々残業、土曜日の夜に働いているのは自分位。

やっと上がりだったのに、ムリムリ頼まれ、ストーリーが始まるビルに向かうところです。

 

放映後何年か経ち、自分も設備系メンテナンスの下請け仕事を約1年間やったのですが、週休は日曜のみ、祭日は出勤。

土曜の夕方に連絡が入り、夕方現場入りし、夜10時を回っても故障が直らないので帰れず、ビルの屋上で、遠くの夜景を見ながら悄然とした思い出があります。

  

そこから、「守衛」の毒蝮氏のギャグ「吸わないのにスイマセンか~」から、地下室、駐車場、地下の迷宮でのサバイバルが始まります。

 

 古典フランケンシュタインを、旧陸軍の秘密計画でリニューアルし、タルミ気味な所を、最後のどんでん返しでグッとまとめた、一般的でいうB級映画です。

 

 その恐怖のフランケンシュタイン「特殊装甲兵ジンラ號」は、日本列島に侵入してくるB29に対して、地上から高射砲で打ち出され、近接した機体に、自らのカギ爪で取り付き、B29が帰還した際飛行場に降り立ち、大暴れする、という兵器で、装甲内部の人間は、特殊改造され超人的な筋力を持ち、物理的な破壊以外は不老不死です。

 

そのモチーフは、落下傘兵「空の神兵」です。

朝日ソノラマの文庫版新戦史シリーズ67 山辺雅男氏著「海軍落下傘部隊」が成り立ちから、終戦解体まで詳しいと思われます)

wiki調べでは、陸軍の落下傘部隊には、装備にベルグマンがなく、それを装備していた海軍を参考にしてデザイン構築されたのか、と思います。

  

 私は、劇中「ジンラ号」の登場に期待しました、が。

「うむむ…」

足元の装甲靴から始まり、胴体の丸っこさ等、ワザとカッコ悪くして、反戦や戦争の無意味さを暗喩したものなのかー?と変に勘ぐってしまう程です。

今となっても、もうちょっと何とかならなかったかな~と思います。

 

 雑居ビルの地下から、戦後40数年を経て、復活した人造人間「ジンラ号」

それを察知して集まった、かつての人造人間候補生達の「ジンラ号」こと改造人間「鍋島」への破壊行動。

紛れ込んでしまった、無関係な現代人の「富田」と「彩子」の「恐怖のフランケン兵器」からのサバイバル。

 

この二つが同時進行で、最後は候補生の「岡崎」が、自身のカギ爪を使い、「ジンラ号鍋島」を自爆に追い込み、もろとも決戦兵器を歴史の闇にほふります。

 

 私が特に気に入ったのが、人造人間達の自爆によって崩壊が始まる地下迷宮のシーン。

この迷宮は地下秘密研究所で、最後に富田達の脱出時に、隠されていた巨大陸上戦艦が、姿を現します。

本当に戦艦の艦橋に砲塔、その下にキャタピラーが付いています。

 このシーンが大好きです。

結局、誘爆により格納庫の底が抜け、陸上戦艦も、擱座、崩壊します。その瞬間砲台がひっくり返り、素材の裏側の白色が見えてしまいますが、大人はそこを見てはいけません。例えスロー撮影でも、です。

 

 これが出てくる事によって設定に広がりが出来て、ストーリーがとても夢にあふれてきたと思います。

 

 最後「富田」と「彩子」は、煙るマンホールから脱出。そこは新聞配達の自転車が走る、都内の朝の風景。走るパトカーが、これから町の目覚め、大事件になった事を予感させて終わります。

 

 色々、低予算でもあり突っ込みどころはあるのですが、今も地下で眠っている日本軍の決戦兵器。

死ぬ事を許されない日本軍の忘れ形見。

戦後繁栄した現代とのギャップ。

非常に引き込まれる要素を持った作品だと思います。

  また、何の偶然か知りませんが、放映の日が、前述の皇太子結婚の日に合わせた事。当時の青年水の心は、何か意図があった様な気がしました。

 

 今年、昭和天皇玉音放送オリジナル録音盤音源が、今年8月公開され、クリアな昭和天皇の声が聞けるそうです。

合わせて終戦の御聖断を下された、宮城内の防空壕も写真公開されます。

 

 珍しい日本軍SFホラーですので、色々余裕のある方は鑑賞されて、北海道の地下に隠されたゼロ戦、松代大本営、源田実の明仁皇太子帝都脱出作戦等に思いをはせるのも面白いと思います。

では、次の更新まで!