我慢なので。懐古中年、Goes on!

無職を続ける、好き嫌いの激しい中年が、80’sアニメ、音楽、映画等、趣味を懐古しながら、日々の生活を節約し、我慢を続けて行くブログ。

アニメ映画「プロジェクトA子」です。

 みなさん、こんにちわ。水の心です。

今回は、1986年のアニメ映画「プロジェクトA子」です。

原作 - 西島克彦、白坂一美
脚本 - 森山ゆうじ西島克彦、川崎知子
監督 - 西島克彦

とあります。

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SFドタバタ学園ラブコメ

  西嶋克彦氏といえば、

うる星やつら」1982年第76話

「決死の亜空間アルバイト」(メンコ買わんかロウセキいらんか?の回でしょうか)の原画マンです。

私は西島氏のポスターを買った事があり、うる星やつらの女性キャラが総出で、動きのあるポーズをとっているポスターで、背景は白。

「物凄く上手い!」と当時思いました。

 

森山ゆうじ氏は、やはり1984年「うる星やつらビューティフル・ドリーマー」の後半の作監です。A子の設定資料集には各氏が描かれた画が掲載されています。

その二人が脚本と監督です。

 

 資料を読み返すと、この「プロジェクトA子」はアニメーターの欲求不満解消アニメ企画として始まり、そのアニメを作るには資金が足らないので、同人誌を発行。創映新社が、その企画自体を引き上げてアニメ映画にした、という流れだそうです

 

 西島氏は「楽しく動かしたかったために作った作品」と語っており「テレビとか下積みも無い所からいきなり作って、どれだけあっぱらぱーな楽しい作品が出来るか、正直言って不安だった」とも語っています。

 

 その同人誌の設定では「クリーミーマミ」そっくりの亜弓先生はA子のお姉さんだったり、街のモブキャラが町内会自衛団という設定のなごりだったり、脚本森山氏の話では、最初の東京に落下する隕石は巨大な真空管で、それを求めて巨大な広告宣伝マンがやってくるというストーリーだったそうです。

南賀英子(魔神英子)

東和美子(徳大寺美子)

北野詩子(寿詩子)

キャラはほぼ同じデザインですが、詩子のみ変わり、同人誌版は「クリィーミーマミ」の変身前「優」に似ている気がします。

 

またこの元設定の3人は、既に「うる星やつら」147話「怪談!カラーンコローン女子寮!!」で面倒了子の女子寮の生徒として出ていたとの事。

 

他にも劇場版B子の取り巻きの一人「うめ」さんは、設定で「森沢優17歳」と名付けられています。

確かに当時は「クリィーミーマミ」は、男性にも人気がありました。

そして、多数の人の記憶に残っているだろう「北東野拳子」こと「真理」

北斗の拳ケンシロウをパロディ化したこのキャラは、声優がWキャスト。

故「郷里大輔」氏と「池本小百合」氏が演じており、通常のセリフが可愛らしい声の池本氏の担当で、

「ぬーん」的な叫びや攻撃の掛け声が郷里氏担当で、ここは場内爆笑です。

 

 声優陣もかなり豪華だと思います。

A子伊藤美紀氏、実は今日までアイドルの伊藤美紀氏と混同していました。何でも調べてみるものです。

B子Sジュピター篠原恵美氏、C子Sマーズ富沢美智恵氏、サルマン大木民夫、ダロス池田秀一氏、文明のマンボ玄田哲章氏、翼くん小粥よう子氏、ナディア鷹森淑乃氏、ヒミコミコミコ林原めぐみ氏、芸能人ばんばひろふみ氏、長江健二氏、向井亜紀氏等今も現役の方が多く見られます。

 

 自分がこの映画で印象に残っている場面は、「真理」のシーン、B子のスーツ、巨大宇宙船の中の開かずの部屋のシーン、ラスト近くのC子の「ヤッホーホホ」位で、記事に書くのにこれだけで書くには厳しいと思い、youtubeにあった英語吹替えの物を、ザッと観ることにしました。

 

「うーんこれ最初の30分は要らないのでは?」

映画作品としては異常な量の設定、長い熟考時間にしてはメリハリが少ないのかなと思いました。

 

 西島監督は当時インタビューの中で前述の通り、肩の凝らない作品にする、と語った事が挑発的にとらえられ、大御所「宮崎駿」氏から「セーラー服が機関銃持って走り回っている様なのはイカン」と批判されてしまいました。

 

 今観るとA子はじめ、みな走り回っています。

実は企画シナリオ通りなんです。

脚本を責めてはいけないのです。

動きはいいし、私が設定集を買う位インパクトがあったので、当然出来はいいです。

映画も半分過ぎから俄然面白くなってきます。

手書きアニメの結晶です。

残念ながら人が死に過ぎで、せっかくスラップスティックコメディーなのでそこもパロディにするなり、もうちょいなんとかと思います。

 

 美少女達が、走り回り、ミサイルは飛び、超巨大戦艦が出、戦闘機は追い戦車は走り、爆発が雨嵐。

作り手が若いので勢いがあります。wikiでは海外でかなり人気が出てフォロワーも出たとあり、確かに監督の企画意図は伝わったのだと思います。

ですがもう少しストーリーの魅力があれば!とも思います。

 

 その後、A子はシリーズ映像化していますが、残念ながら私はキレイに記憶にありません。アンソロ本、小説版は借りて読みましたが、小説は同人誌版の設定をもってきている為、同性愛描写があり、かなり違和感を持った憶えがあります。

 

 そして忘れてはいけないのがサントラです。

{そういえば、1986年映画公開当時、CDは新しく出た音楽記録媒体で、その年、CD販売枚数が既存のアナログレコードを抜いた(出典コンパクトディスクWiki)とあり、CDプレイヤーも結構効果で、中古のプレイヤーを質屋でなんとか購入した覚えがあります。}

 

豪華にも、A子B子C子に各イメージソングが付いており、インストルメンタル曲も合わせ、かなり印象的な80年代的な曲が並びます。C子の「Follow Your Dream」が、テリーデサリオの「オーバーナイト・サクセス」にそっくりに聞こえるのは、時代だからなのでしょうか。

当時アイドルだったライブマン「森恵」氏がカバー曲として「夢見るダンサウェイ」として歌っていたのを、ふと思い出し確認。物凄い記憶力です。これをもっと違う事に使いたいところです。

 

私は B子のインスト曲「In Your Eyes」 が好きで、原付の黄色いTSハスラー50に乗って、白黒TV付きのウォークマン型のカセットテープレコーダーでサントラテープを再生しながら、走ったのを思い出しました。

当然一曲終わったら停車し、巻き戻してからリピート再生、発進です。80年代です。

 

 確か、現在テレビ放映のアニメは、セル画からデジタルに全て変わっているそうで、セル画のはみ出た塗料は、竹べらでこすって落とす事も無くなったのだろうと思います。

まだご覧でない方がいれば、セル画で出来ていて、CGの余地が無く、手描きの味があって、非常に良く動く80年代のアクションアニメとして、観られてはいかがと思います。

私は今観ても、なかなか面白いと思います。

 

それでは!次の更新まで!