「自衛隊基地祭りと戦国自衛隊」です。
みなさん、こんにちわ。水の心です。
はるか昔小学生の頃、友達たちと自衛隊の基地祭りに行きました。
まず、隊員たち手作りの「お化け屋敷」に入ります。真っ暗になったところ、いきなり急所を触られました。
「なんだ男じゃないか!」
言われてびっくりしましたよ、ボクチンは。セクハラお化け屋敷でした。
また自衛隊の基地祭りの楽しみの一つは、兵器と触れ合う事が出来る事です。
当時の制式小銃64式が、バイポッド(2脚)を出して、芝生に置かれています。
小銃のその先には、段ボールの箱らしきものがあり、その中に標的がありました。
どうも小銃はレーザー光線銃になっていて、標的に当たると段ボールの中が光るようです。
友達らは、上手く当てる事が出来て、隊員から褒められています。
「よし、ボクチンもやったるで!」
撃った所、当たりません。どんなに狙っても当たらず、焦ります。
既定の3発総外れで、ガックリです。
隊員のお兄ちゃんが「目が????」とか言っていました。
なんか64式小銃全く面白くありません。
それが本当に謎だったのですが、中学に入りマニアが高じ、月刊GUN誌を買うようになって、ようやく意味がわかりました。
人間には「効き目」(ブルズアイ)というのがあって、例えば銃を照準した際に、右目を使うか、左目を使うか、本能的に決まっているそうです。
右利きの人が、小銃を持って照準した場合、通常は、自然に左目をつむり、右目を開けて照門から照星を見ます。
しかしたまに、右目をつむり、左目を開ける方が楽な人がいます。
その際、照準は全く合わず、狙う事自体が不可能になります。
私は、後者の方だった、というわけです。なんとも、不思議な体の構造です。
お次は、12.7㎜M2ブローニング重機関銃が三脚架にのっていました。
みんなが触れる様になっています。
早速、見よう見真似で、弾丸を込める為のコッキングハンドル(槓桿)を力いっぱい引いて、親指の当たるところの蝶々型のトリガーを押します。また、もう一つ、中央にレバーがあったと思います。
(専門的になるのですが、M2重機関銃はクローズドボルトからの発射。その中央のレバーは、そのボルトを閉鎖する為のリリースボタンであり、しかもセミフル切り替えも出来た様です)
意味は分からず、何回か、カチャンカチャン動かした後、握っていた木製のハンドルが、クルクル回った事を憶えています。
その次は、61式戦車がありました。
車高が高いので、苦労して這い上がります。そこにも、M2重機関銃がついていました。
大人気ですが、サッと内部に入ってみました。
印象に残っているのは、15㎝直径の皿の様な数字の描いてある円盤に、垂直に釘の様な物が下がっていて、自在に動かす事が出来ました。
多分、照準装置の一部で、東西南北や、傾斜を示すゲージの様な物だったと思いますが、それ以上は理解できませんでした。
そして、一周した後、また銃器で遊ぼうとしたら、可動部分が針金でガッチリ固定してあり、動かして遊ぶ事は出来ませんでした。
ふと、顔を上げると、学生服を着たどこかの中学生のお兄ちゃんが、戦車のハッチから、上半身を出し、M2を握っていました。
非常に絵になっていたのを思い出します。
今日は1979年角川春樹事務所、斎藤光正監督の「戦国自衛隊」です。
映画館に行き、パンフも買ったのですが、現在残念な事に散逸。
LPはその後購入。近年どうしても聴きたくなり、6年前位にCDを購入。
3年前には、小説版が読みたくなり、ブッコフで105円で購入。
S54年発行の、挿絵が「永井豪とダイナミックプロ」のものを選びました。
そして、遂にDVDも500円で購入。
ですが困った事に、私は日本史が得意でなく、戦国時代の知識がほとんどありません。
映画に出てくる歴史上の人物、背景がイマイチわからない、という非常に残念な状態なのですが、この映画は、それを置いても迫力があり、色んな魅力を持っています。
何年か前から、仮面ライダーの新作映画に、昭和ライダー俳優たちが、声や本人役で出るようになりました。そんな俳優達の情報を集めている時、Xライダーこと「速水亮」氏のブログを発見しました。
速水氏は、大病を患い入院もしましたが、現在は復帰され2014年のライダー映画に出演されました。
そのブログを見ていると、戦国自衛隊の事が書かれています。
実は、速水氏は「戦国~」に、陸自マラソン選手の森下役で出演されており、当時の出演者しか知らない、撮影開始から、ロケ合宿、俳優達のエピソードが書かれています。非常に興味深く読みました。
速水氏のブログの中で、印象的な斎藤光正監督の話が出ています。
映画のラッシュ(編集前のフィルム)試写があった際、冒頭のシーン、画面内の俳優の頭上部分が何故か、不自然に空いています。
皆、それを見ると他の出来が不安になり、試写中「監督下ろせ」等、ひどい罵声が出てしまいます。
監督の実力を知らないスタッフ、キャスト、主役の千葉真一氏までもが、その日以降、非常にナーバスになってしまったそうです。
結局、完成試写会で、その空いていた空間には「特殊撮影」が入っていて、全く問題無し。全編見事に写されており、キャスト、スタッフ一同、監督に感嘆。
斎藤監督は、京都東映のメイン監督になっていった、というイイ話、面白い話がたくさん載っています。
また、パンフの記事だったと思うのですが、角川事務所は、当初自衛隊に協力を求めたが「自衛隊は、戦国時代であろうとも国民に銃を向ける事は出来ない」
と断られたそうで、現在とはだいぶ違っていた様です。
そして、半村良氏の原作小説の中で、少しハッとした事があります。
ラスト近く、朝廷(天皇)の配下にならない伊庭三尉達のやり方の描写があり、それと明治、戦中、戦後、マッカーサー支配での皇室の態度を挙げ
「作らず為さず働かず、自らが作り上げた血の価値のみに生きて、
ひたすら保身のみに生きる神のごとき存在。それが皇室であった。」
と小説であるとは言え、ズバリ批判していて、もしかすると、日本人、日本への批判が隠されていたのではないか、と思います。
また映画音楽は、マクロス等の羽田健太郎氏で、聞いていると、やはり少し聞き覚えのある節回しです。また音楽だけの「サントラ集」は未発表です。
「サントラ」という名のヴォーカルアルバム、これは名曲ぞろいです。
(アーティストの所属会社が、それぞれ違っていたため、発売に苦労したと書かれてあったと思います)
中でもよく聞いていたのが、劇中「平井役」の高橋研氏の「星空を駆け登れ」
「ジャイアント・シティ」です。
時代は昭和から平成に変わりました。
二度と「戦国~」の様な意欲作は作られないんだろうと思いつつ、思わず子供の頃の思い出がよみがえるノスタルジー映画でした。
それでは、また次の更新まで!