我慢なので。懐古中年、Goes on!

無職を続ける、好き嫌いの激しい中年が、80’sアニメ、音楽、映画等、趣味を懐古しながら、日々の生活を節約し、我慢を続けて行くブログ。

「グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦!大海獣」です。

 みなさん、こんにちわ。水の心です。

今日は「グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦!大海獣」です。

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30分間の本作は1976年7月22日に東映系で公開された「東映まんが祭り」内の劇場用アニメ映画です。

 

 その1976年に起きた出来事は、

マッハ2で航行する人類初の超音速旅客機「コンコルド」がフランスで運航開始。

 

子門真人」氏の歌う「およげ!たいやきくん」が大ヒット。

(児童番組「ポンキッキ」の唄コーナーからのヒットで、私もシングルレコードを購入。B面はなぎら健一氏の「いっぽんでもにんじん」でした。ホントに日本中が”たい焼き”にフィーバーしていました)

 

日清焼そばU.F.Oが新発売。

 

ソビエトの戦闘機Mig25が函館に緊急着陸し亡命。

 

こうみると歴史の中の有名な単語が並んでいます。

 

 その「東映まんが祭り」は、子供達の春夏冬の長い休みに合わせて、東映系の人気アニメ、特撮をまとめて公開上映した、一種のオムニバス映画です。

 

 子供達が映画館に行くと、紙で出来たサンバイザーなどがもらえました。1976年、私も観に行っています。

 

 入館料はいくらだったのでしょうか?

当然、親が同伴なので映画館は子供映画なのに大人分の金額が儲かります。これが目的なのだと聞いた事があります。

親の方は、子供を兄弟全員連れて行くと金額もかさみ、さらに外食などすると大変です。非常に頭が下がります。

 

 さて、この「決戦!大海獣」は、今までの人気ロボの大集合が目玉で、ストーリーも起承転結がハッキリした面白い作品で、非常に印象に残りました。

 

 その内容は「永井豪ワールド」のスーパーロボットたち、マジンガー、グレート、ゲッター、グレンダイザーが存在する世界で「古代大海獣ドラゴノザウルス」が、人間の原油流出による自然破壊をきっかけに、偶然石油を食べる変異を遂げ、油送船舶や施設、人間を襲い始める事から始まります。

その海獣を退治する為、国防軍本部にスーパーロボットと操縦者たちヒーローが集合し、反撃のノロシを上げる、というストーリーです。

 

 その海獣の動きや形を見ると、もはや交配を繰り返して繁殖していた地球上の生物などではなく、完全なミュータントか、宇宙からの侵略生物の様です。

 その能力も強烈無比。

設定上では体重40万㌧体長550㍍の巨大生物です。

ミサイルは、吸い込まれ不発。

身体を切り落としても、再生。

終いには、空を飛びます、空です!

 

ですがドラマに勢いがあるので、この荒唐無稽さも気になりません。

(多分、スーパーロボットたちを凌駕する脅威となると、この位強力でないと成り立たないからだ、と思います)

 

 そして、マジンガーキャラの「ボス」「剣鉄也」「兜甲児」が登場しています。

この点も、かつてマジンガーシリーズを見ていた子供達の期待度を高くします。

 

 いわゆる「オールスターお祭り映画」なので、声優陣も豪華です。

題名通り、グレン、ゲッター、マジンガーの男女オリジナルレギュラー陣が、登場しています。当たり前ですが、声優さん達の声も非常に若いです。

 

 マジンガーの甲児クン「石丸博也」氏と、グレートの鉄也「野田圭一」氏の熱血内輪モメからの仲直りがストーリー的にヨイです。

その後の展開も、責任感の強い鉄也の行動が、ボスの救出と海獣攻略のキッカケに繋がります。

 

 そして「大竹宏」氏演じる「ボス」が、面白キャラとして非常にイイ味を出しています。

 ボスロボットではなく、ボロイのでボロットです。

劇中、コクピットのレバーが傘の柄です。芸が細かくイイ感じです。

しかもボロットは、マジンガーを作った超合金Zの余りで作ったのですが、材料が足らないので超合金製なのは頭部だけです。

しかし、それが本作ストーリーのカナメになっています。

 

 劇場公開当時は、グレンダイザーが絶賛放映中だったので、若干グレンがメイン気味で描かれています。

 

 そして、この作品には「透過光」が多く使われている、と感じました。

これはアニメの特殊効果の一つで、ビームや爆発などの光るものを、セル画に色塗りで表現するのではなく「光」そのものを合成撮影する事で視覚効果を高めたものです。

 

 計器スイッチのランプから始まり、コクピット内の操縦者の足元からの仰角のシーンで、コクピットの風防から太陽光が入る所。

操縦者たちの顔に光が差し込む所。

結構凝った表現方法として、かなりふんだんに使われています。

 

 1970年代のTV用30分アニメでは、透過光は高価なものなのか、撮影方法が複雑だったのか「ここ一発」という所でしか使われていなかった、と思います。

  その後、高校生になった私たちアニメファンは、毎週流れるTVアニメの「透過光」などにも注目して視聴していました。

またアニメ誌でも、透過光についての言及や、使われたシーンを良く取り上げていたと思います。

 

 他にも本作は、海が主戦場になるのですが、その海の波浪の描写がかなり細かく、手描きの緻密さに感心します。CG無しで全て手描き作画です。大変です。

 

 そして本作の主題歌とエンディング曲は「ささきいさお」氏の歌う

「いざ行け!ロボット軍団」と「戦いの詩」です。

(私が20代の頃購入した、アニメ・コンピレーションCD「永井豪の世界」に、この2曲が入っていました)

 

 特徴的なのは「ささきいさお」氏が、各ロボットの必殺技の名称をシャウトするところです。とても艶のある良い声です。

 そしてその歌詞も

「信じられるかこのパワー」

「科学と夢と情熱と、日本の頭脳が生み出した」

ナショナリズムもちょっぴり入って、子供にも納得の歌詞で歌われています。

 

 その作詞の「保富庚午」氏は、バルディオスハーロックなどのアニメの作詞を数多くこなしています。

そして、大~きなノッポの・・・で知られる「大きな古時計」を訳された方です。これはちょっと驚きです。

 

 上映時間は30分なのでストーリーはアッという間にヤマ場を迎え、エンディングになります。

「友情と協力をメインに、メカニックを駆使した攻撃で、敵をやっつける!」

というテーマがストレートに伝わるアニメ映画でした。

けれど、良いのか悪いのかは置いといて、結構好戦的なんだよなぁと思いました。

 

 興味を持たれた方は「MAZINGER THE MOVIE Blu-lay Vol.2」に収録されていますので、観てみるのも良いかも知れません。

 

それでは、また次の更新まで!ゲッタアーウィンーグッ!