我慢なので。懐古中年、Goes on!

無職を続ける、好き嫌いの激しい中年が、80’sアニメ、音楽、映画等、趣味を懐古しながら、日々の生活を節約し、我慢を続けて行くブログ。

TVアニメ版「うる星やつら」その1 です。 

 みなさん、こんにちわ。水の心です。

今日は「うる星やつらTVアニメ版」の話です。

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原作は言わずと知れた、劇画村塾出身「けもこびる」こと「高橋留美子」氏の「うる星やつら」です。

TVアニメ版は、原作開始から3年後に放映され、約4年5か月と195回の放送を誇る長寿アニメ番組です。

SF、学園、家庭、サスペンス、恋愛、何でもありの基本スラップスティックで、美少女アニメの先駆けでもあり、映画、音楽、OVAも展開され、番組終了後も多くのファンを持ち、皆さんの心に強く残っている作品です。

あまりに、大きな題材なので、今回は、「初期のアニメ版」を小さく切り取ってみようと思います。

 

 当時、中学生だった私は、原作から入り、アニメ化を心待ちにしていました。

録画機器は無かったので、TVのイヤホンジャックからモノラルケーブルでラジカセにつないで録音し、毎回放送後、放送された音を繰り返し聞いて「アニメ」を楽しんでいました。全話の録音は無理でしたが、最初の頃は、出来るだけ録音をしていました。

 

当時は、ビデオなど普及してないので、アニメ本編をストーリーに沿って「1コマ」抜き出し、セリフの吹き出しを足して、本(ストーリーブック)にしたものが売っており、子供でも安価でアニメを楽しむ方法もありました。

それを振り返ると、小学生でも簡単に高画質なDVDが見られる、30年間の技術文明の進歩と、大量生産による機器の普及は驚くものがあります。

 

 古いブラウン管TVだったにもかかわらず、そうしてカセットに録音した放送は、音質が良く、またオーディオドラマとして完成されていて、毎回面白く聞き返していました。

それもそのはず、当時のアニメ版は、

キンタロー「野沢雅子」氏

お雪さん「小原乃梨子」氏

クラマ姫「𠮷田理保子」氏

あたるの父「緒方賢一」氏

あたるの母「佐久間なつみ」氏

ラムの父ちゃん「沢りつお」氏

錯乱坊「永井一郎」氏

肝付兼太」氏、

池水通洋」氏等、ベテラン勢がゲストキャラ、レギュラーと脇を固めていました。

 また、有名な話ですが、ヒロイン「平野文」氏は、今作がアニメ初挑戦で、1話のアフレコでは思ったように声が出ず、無声状態で飛んでいくラムちゃんのシーンがあったりします。

 

 「眠れる美女クラマ姫」の回などは、作画が荒れていて、映像は観ている子供でもガックリきたものですが、後からテープを聞くと「𠮷田理保子」氏のクラマ姫の声は、非常に臨場感たっぷりに演じられて、「凄いな~」と子供ながら思いました。桔梗屋の弥生さん、やはりプロです。

(現在、𠮷田氏は声優を引退され、キャスティングマネジャーをされているとの事で、もう動くクラマ姫は見られない可能性が高いのかな、と思います)

 

 「これで作画が良ければ!」

なぜか当時のアニメは、作画に当たり外れがあり、外れは、なかなか強烈なものがありました。

当たりの回は「キャラが猛烈に動き、走り回る」「キャラが崩れずカワイくカッコよく描けている」等、昔のアニメ作品には、そういう事が往々にしてありました。

アニメうる星やつらは、次第に有能なクリエイター達が集まって来るにつれ、その傾向は際立っていったと思います。

 

 現在は、TVでの再放送も無くなり、私の財力では全話DVDボックスなど買えるはずもなく、当時を思い出しながら、今回記事を書いているのですが、

 アニメ初期の雰囲気は、

原作版の初期の指向が「日本昔ばなし」「民話」からのキャラ作りである事や、

方言丸出しの、ラム、テン、アニメ版で多用されるあたる達の「~なのじゃーッ」というセリフ回しのせいなのか、

SFドタバタなんだけれど、一種独特の「怪奇譚」「おどろおどろしい」気配が、どこか、にじんでいる気がします。

また「高田明美」氏のキャラクターデザインは、あたる達の頭部は大きくデザインされ、等身は低く、ラムの魅力といっても、ビキニは記号にしかなっておらず、現代の様にねちこい身体のアップも無く、カリカチュア化した可愛らしさの方が強かったと思います。

 

 またコメディ要素なんですが、

初期の各話のラストシーンで、

ラムは泣き叫び、忍からは糾弾され、

町中を巻き込む問題は未解決なのに、更に悪化して話が終わり、

なぜか毎回必ず諸星家は爆発飛散し、

合わせて、あたるの父が「ローンが、ローンが、ローンレンジャー!」と叫び、

町中の人間から逃げるあたる、すると、なぜか必ず青竜刀を持った中華料理人が現れ、これを追い、

宇宙人が地球に来る開かれた宇宙時代なのに、人相悪い普通の町の住人達がやたら出てきて、牛丼食べてるギャップ、

何かこう、貧しい生活、大衆感があり独特の味がありました。

私は、この「コ汚い大衆感」と「なぜか諸星家爆発END」が、初期アニメ版の魅力の一つだと思います。

 

 小さく見ると「謎のお色気美女サクラ」の回の除霊シーンで、何回も大爆笑した記憶があります。

初登場のサクラさんが、あたるの悪霊を払うため行った、除霊のシーンなんですが

「はーらえたーまえ」

「きーよめたーまえ」

とサクラさんが祈祷を始めると、なぜかサクラから多くの悪霊が出てきて、周囲をグルグル回り始めます。

「はーらえたーまえ」

「きーよめたーまえ」

 ホッホッホッホッ!

「はーらえ」ホッホッ!

「きーよめ」ホッホッ!

とサクラと悪霊のおかしなリズムの祈祷が始まります。

 

さらに途中、怪僧「錯乱坊」の兄妹で、顔そっくりのサクラの母が、着物の裾をもち、なぜか悪霊の列に混じって回ります。

少しのシーンなのですが、このヘンテコ祈祷の音節とサクラの母のビジュアルで、やられてしまいます。

 

 「サクラ」は、原作ファンから、その配役をかなり非難された、とどこかに書いてありました。

確かに「鷲尾真知子」氏は、声が低く、男の様に強い、シリアスな声質なので、原作版の様な「大人のお色気」担当には遠かった、とは思うんですが、

「~じゃ」「~であろう」「おぬし」と昔言葉を話す、異質の能力者キャラとしては、かえってよかったんじゃないか、と思います。

 

 その後「紅い眼鏡」の射的屋の翠で、動く「鷲尾」氏を初めて観たり、現在NHK等ドラマなどで出演されているのを見ると、非常に懐かしくなります。

「鷲尾」氏は、声優としての活躍を聞いた事が無く、今回調べてみると、俳優での経歴が圧倒的に長く、演劇に深い超ベテランだとわかりました。

 

 DVD「うる星やつら2ビューティフルドリーマー」のオーディオコメンタリーで、押井監督が、当時の女性声優さんたちを評して、(おばさんばかりで)みんな一芸のある人ばかりだった、と言ってましたが、確かに、それだけにしっかりした物が出来ていたんだなと思いました。

 

 「うる星やつら」について書いていると、非常に懐かしく、色んな事が思い出され、どんどん長くなってしまうのですが、今回は「その1」という事で、また日を改めて、話そうと思います。

それでは「おっちゃんコロッケ追加ーッ!」

また次の更新まで!