我慢なので。懐古中年、Goes on!

無職を続ける、好き嫌いの激しい中年が、80’sアニメ、音楽、映画等、趣味を懐古しながら、日々の生活を節約し、我慢を続けて行くブログ。

「恐ろしい話 まんが日本昔ばなし」です。

 みなさん、こんにちわ。水の心です。

今日は「まんが日本昔ばなし」です。

 

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 1975年から1994年にかけて、愛企画センターグループ・タック毎日放送の共同制作で、TBS系で放映された30分2話構成のアニメ番組です。

内容は、日本各地の民話を、芸術性の高い動画と音楽で構成したTV作品です。

 

 監修は、川内康範氏。

言わずと知れた「月光仮面」「レインボーマン」を生み出した、思想的にも優れた戦後の高邁な作家です。

 

 グループ・タックは、1968年、旧虫プロダクションの音響監督「田代敦巳」氏が「明日川進」氏「杉井ギサブロー」氏を誘い設立した、アニメの企画、制作会社でした(現在破産手続き中)。

 

 1970年代のアニメ「旧ルパン三世」「宇宙戦艦ヤマト」シリーズから始まり「はなかっぱ」まで制作。

 劇場版では「ジャックと豆の木」から「銀河鉄道の夜」「グスコーブドリの伝記」まで、多くの話題作を手掛けています。

 

 一覧を見ると、見覚えのある懐かしいアニメ作品のタイトルが数多く並んでいます。

 この「まんが日本昔ばなし」で元請け制作を開始したとあり、長寿番組として日本民話、童話という一つのジャンルをアニメ界に作った事は、グループ・タックにとって色々なきっかけになっているようです。

 

(余談ですが1977年「まんが偉人物語」でのローマ帝国の鎧を付けた人物が階段を登っていくエンディングテーマ「誰かが前を」が印象に残っています)

 

 1980年代には、よく物まね番組のネタにもなった有名俳優「市原悦子」氏と「常田富士男」氏が声優として、たった2人で演じられています。

 

 市原氏は、演劇一筋の新劇女優で多くの賞をもらう、俳優座が生んだ3大新劇女優の一人です。

 新劇とは、日本古来の歴史を持つ劇、芝居ではなく、西洋から入り西洋の考え方で「人間の理想」を目指して追及していくスタイルの演劇だそうです。

 

 常田氏は、劇団民藝養成所から、劇団青年劇場を「米倉斉加年」氏と共に結成。映画俳優、声優として大きく評価されています。

 我々世代的には「カリキュラマシーン」のヒゲのオジサンです。

二人の声による演技が、このアニメ番組に、なくてはならない重みや、独特な味わいを付加しています。

 

 さて、まんが日本昔ばなしの思い出ですが、ある日、小学生の私たちは講堂に集められ、映画を観る事になりました。

 

 上映されたのは「傘地蔵」

下級生たちも一緒で、上映中小さい子達は結構楽しんでいて、評判はとてもいい感じでした。

 その時はまだ、TV放映されていなかったと思うので、試験的に16㍉映画として上映、マーケティング調査として子供達の反応を見ていたのか、それとも、情操教育の教材として見せたのかも知れません。

 

 当時は、土曜の7時~7時30分の放送で、流れ的には「仮面ライダー」「巨泉のクイズダービー」「Gメン’75」と面白い番組が揃っていた子供時代の土曜の夜なのでした。

 

 そんな、子供達にも人気だった日本昔ばなしですが、私が恐怖し、今でも憶えている作品があります。

 

 31話「龍の淵」です。

宮崎県の日向国、米良の庄(地域)に、漆ウルシ取りの兄弟が住んでいました。

漆の木を見つけて樹液を取る事は、あまり儲かる仕事でもなく、細々とした収穫業です。

そんなある日、兄者は、霧の立ち込める山の奥深く、深い淵(水が溜まっている場所)に、うっかり潜る羽目になりますが、その淵の底で発見したのが、大量の上質な漆の堆積物。

 

 長い年月をかけて、淵の底に上質な漆が溜まっていました。

労せず上質な漆を手に入れ、大喜びする兄者。

 

 その日から、兄者は大金を手にし酒を飲み、堕落します。

弟は、そんな兄の変化に気づき、どうしたのか尋ねますが、強欲な兄は教えません。

 弟は、そんな兄者の後を追い、その淵を発見。

弟も、やはりこれを売り、兄と同じように、堕落した生活をし始めます。

 

 弟の横取りに気づいた兄者は、驚かすために大きな「木彫りの龍」を作り、その淵に投げ込みます。

 

 それを知らずにまた潜る弟。

「・・・ウワ-ッ!」

慌てて逃げる弟。

 

 その姿を見ていた兄は、作戦成功とばかりに、一人漆を取ろうと、淵に飛び込みます。

 

その時・・・。

 

木彫りの龍が動き始めます。

 

 兄者は驚き、一旦浮上しますが、そんなはずはないと、もう一度潜ります。

龍は、何倍もの大きさになっており、兄者を襲います。

 やっとの事で、淵から逃げ出し、命からがら逃げだす兄者。

 

 結局、その淵には誰も入る事が出来なくなり、漆も手に入れる事が出来なくなりました。今でも龍が住んでいると言われているそうです。

 

 子供の頃見た時は、兄者は龍に淵に引き込まれてしまったという記憶なのですが、40数年後に観てみると、生きて逃げ出す事に成功していました。

 

 しかし、かなりの細部まで忘れる事も無く、よく憶えていたと思います。

そして、陳腐化しているかと思いきや、今見ても非常に怖い。

 

 木彫りの出来の良さからか、兄者の邪心からか、命が宿り、自然と一体化して、人を寄せ付けない存在になってしまった「木彫りの龍」

 

 それから年月が経ち私は、大きな湖のほとりを歩く事がありました。

そこで、大きな大きな1㍍以上はゆうにある巨大な鯉が数匹、眼下数十㍍の水面で悠々と泳いでいました。

 湖底など見えるわけない、深くて黒い水の中を、色鮮やかに白い鯉たちはゆっくりと泳いでいました。

 

 その時あの「木彫りの龍」を思い出しました。

どうにもこうにも、今でも恐ろしい作品です。

 

 そして、今回調べていて驚いたのが

173話「みちびき地蔵」です。

 

 2011年、日本に大きな被害を出した、東日本大震災の「津波

過去にも同地方に洪水被害があった事を伝える、気仙沼みちのくの民話からの話です。実話に基づいた話です。

1977年10月29日に放映されていました。

 

 全く、今まで気が付きませんでしたが、震災以降、ネットでその存在が注目されている様でした。

昔、起きた出来事は、人が言い伝え伝承し、民話になりましたが、もしかしたら途切れてしまい、そのまま忘れ去られようとしている話もあるかも知れません。

 

 残念ながら、私はすっかり他の回を忘れてしまい、どれを「おススメ」すればいいのか悩むところですが、自分の住んでいる地域の民話をベースにした話もあるようなので、知ってる方は懐かしく、そして知らない人は新しく、視聴されてみてはいかが、と思います。

それでは、次の更新まで!