「大空魔竜と零戦」です。
みなさん、こんにちわ。水の心です。
今日は「大空魔竜と零戦」です。
この「大空魔竜ガイキング」は、1976年にフジ系列で放送された東映動画製作のアニメで、ゲッターロボの後番組として始まりました。
「大空魔竜」とは恐竜型の大型ロボットで、大気圏内、宇宙空間を自力で飛行可能。遠近攻撃能力もあり搭載兵器の母艦です。
そして「ガイキング」は分離合体する艦載ヒト型ロボ。
それらを使って勇気ある地球人が、地球移住エイリアンの先兵である「ダリウス大帝」を撃滅するというストーリーです。
攻撃母艦「大空魔竜」は子供の大好きな「恐竜」を模して創られ、他にも恐竜好きな子供達に訴求する
「翼竜型戦闘機」に「海竜型水中攻撃機」「地上恐竜型戦車」が登場しました。
メカには沢山のギミック(仕掛け)が隠されており、大空魔竜の頭部は主役ロボ「ガイキング」と合体。
頭部が飛んで行った後の大空魔竜は「防御態勢」をとり、尾部の有人機関砲を前方に向けます。
第二次大戦中の爆撃機の銃座的デザインが、カッコ良かったのでした。
更に参考にしたであろうアイデアは、野球。
ガイキングは、大空魔竜の頭部と合体しますが、その位置や形は野球のキャッチャーの腹部プロテクターに似ています。
地球側戦闘員の戦闘服は、野球のユニフォームからのデザインだと思われ、主要メンバーの人数は9人。
今見ても、メカニックや設定には目を引くものがあり、多分制作者は、多くのアイデアを盛り込んで企画したと思います。
そして小学生だった私は、よくおもちゃ屋に行っていました。
ガイキング関係で購入したのが、搭載戦車の「剣竜バゾラー」の「消しゴム」です。後年の「キン消し」の様な「キャラクター消しゴム」です。
そして「大空魔竜」の「ジャンボ・マシンダー」も販売していました。
「ジャンボマシンダー」とは、玩具会社「ポピー」から発売されたポリプロピレン製の大型玩具のシリーズです。
1973年に「マジンガーZ」のジャンボマシンダーが発売開始され、価格は約4000円程度。当時は結構いい値段だったと思います
全国で実写によるCMが流され、子供達の間で大流行したおもちゃです。
今で言う「フィギュア」です。
私はその「マジンガーZ」を購入してもらえたのですが、その時の感動は、よく憶えています。
大空魔竜のマシンダーはサイズが大きかったのか、確か「テレビランド」や「テレビマガジン」等か何かの広告で、幼稚園位の子供が、それにまたがっていた様な記憶があります。
その「ジャンボマシンダー 大空魔竜」を現在調べると、箱付き美品「78万円超」!!の価格で販売していました。
現在もそれが購入できるかは不明ですが、
どうも「ジャンボマシンダー 大空魔竜」は当時の流通量が少なく、なおかつキレイに現存している物も少ないため、プレミア価格が付いている様でした。
バイクや、中古の軽自動車が買える値段ですが、当時憧れていた子供達が、数十年を経て買えなかった復讐戦をしている様にも思えます。
しかし、その位メカ造形的に飛び抜けて人気があった事は確かです。
そんなガイキングですが放送時、不思議な事がありました。
本編が始まると「音声」が数倍のスピードで流れ、先に終了。
しかし動画は無音声状態でキッチリ30分間流れ、まるでサイレント映画の様な放送日がありました。
その回は「第27話 南十字星に誓う」です。
その前の26話の放送の次回予告で「零戦」の映像が出たのだと思います。それで私は放送を期待していて、この放送事故に遭ったのでした。
その時理解出来なかった、そのストーリー内容は
海軍零戦のパイロット「山中大尉」が、南方のズラク島に不時着。
そこで娘をもうけるも、その島で大空魔竜に使われている「ゾルマニウム」鉱石が埋蔵されているのを発見。
それを、後世の(地球防衛?)の為にと、自ら零戦を宇宙空間へ打ち上げ、宇宙空間からその事実を発信機により発信し続けていた。
というSFオカルト風味で、実在した戦闘機がメインとなるストーリーでした。
70年代の「ロボットアニメ」で、ここまで旧軍の兵器そのものを描いたアニメはあまり無いと思います。それだけに、次回予告で知った私は強烈に期待し、当日恐るべき落胆を味わったのでした。
放送終了後、世の中は何事もなく翌日を迎え、友人に昨夜の事を聞いても「そんなの知らない」と言われ、結局そのまま記憶の底に埋もれて行ったのです。
また最近、自分の中では、旧軍人を描いた話だったので、放送局内の反対勢力の手により、放送事故を装った工作が行われたに違いない、などと想像していました。
そして、この度wikiを読んでいた時「第14話 大空魔竜の逆襲」のOPで全く同じトラブルがあったと書いてありました。
「その回だけじゃナイヨ!」
結局、この年になって、やっと外国語版ですが見る事が出来ました。
見ていると、
「なぜわざわざ宇宙空間に行くの?」とか、
「零戦に自分で発明した小さなロケットを取り付けて大気圏を脱出できるの?」とか、
「宇宙から帰還する事は考えなかったの?」
(大尉は宇宙空間で発見時、酸素マスク無し宇宙服無しの、通常飛行服を着た白骨死体となって発見されます)
など多くの疑問を残しながら
山中大尉の一粒種で、大尉から聞かされていた美しい富士山を見るのが夢だった
「さゆり」さんと、ガイキングの戦闘機パイロット「ファン・リー」は、
宇宙から回収した大尉の零戦に「並列タンデム」!で搭乗し、
その富士をバックに飛行する、
という感動的なラストシーンで終わります。
かなりアレな所が山盛りですが、零戦の機体番号の表記や、翼内20㍉機関砲をぶっ放したりなど、出来る限りの戦闘機の描写がありました。
どうしてこういう話になったのか謎は多いのですが、かなりの「異色回」だった、と確認できました。
また、このガイキングは、勝間田具治・白土武・谷口守泰・金田伊功ら当時最高の作画スタッフが参加していたとあり、
通常の劇画タッチから、最終話は70年代アニメとは思えないパース付きまくりの「金田アクション」炸裂で、作画に「ふり幅」があり過ぎの様な気もしますが、未見の方は一見の価値はあります。
そして、当時の小学生からの感想ですが・・・
「ガイキングのフェイスオープンは、カッコ良くなくて、あんま話題になって無かったヨ!」
というわけで
それでは、また次の更新まで!