「革ハンドルとシフトノブの修理をしたヨ!」です。
みなさん、こんにちは。水の心です。今日は修理シリーズの最新版
「ハンドルとシフトノブの革の修理をしたヨ!」という話です。
以前、ルームミラーをうっかり外してしまって難儀した私の車も、購入から今年で14年目に突入。純正の革ハンドルが劣化し、特に右半分がボロボロになっていました。
<画像は修復後>
ハンドルは3年前から、かなり痛んでおり、検索すると「馬の油」をすり込むとイイヨ!とあったので、100均で馬油ハンドクリームを購入。ヒマがあれば、ヌリヌリすり込んでいました。
が、ほとんど効果が無い上、ますます状況は悪化。
例えば、MA-1ジャンパーのごついファスナーで深いひっかき傷が出来たり、車のキーがブッ刺さったり、常時握る右側部分の表皮が削れ、終いには、直径1㎝超の大穴が開いて、下の構造物が見えていました。
おまけにシフトノブは、一皮めくれてしまって、バックスキン(裏革)のような状態になっていました。
<画像は修復後>
今回、法定点検が来るという事で、やっと重い腰を上げ、調べてみると、皆さん革製品の劣化には苦労されている様で、多くの方がDIYにチャレンジしていました。
その理由として、業者による修理や新品交換が、かなり高価だという事。
そして純正ハンドルにはエアバッグが搭載されており、これがあると任意保険の金額条件が変わるらしい所も、関係しているようです。
ディーラーの営業氏に聞いてみると、新品交換か、ヤフオクで落とすのが良いとのこと。しかし私は、オークションをした事が無いので、チンプンカンプンです。
結果、自分で修理をする気持ちを固めたのでした。
唯一無二の修理部材が、靴のケア商品で有名な
「コロンブス社」の「アドカラー」(add color)と「アドベース」(add base)
でした。
元来、革靴の補修の為に作られた素材で、前者は、靴の色に合わせた多くの色がある上塗り材。後者は、穴を埋める充填剤。
見かけは、ほぼ大きなサイズの「絵の具チューブ」です。
これらは水溶性樹脂で出来ており(乾くと定着します)
プラモデルをパテ埋めして塗装するよりも、簡単に修復が出来るらしく、しかも速乾性。ブログで革製品修理を紹介している方々も、絶賛しています。
若干不安だったのですが、コロンブス社による靴の修理方法が、公式ホームページからYoutubeで公開されており、これも参考になりました。
https://www.youtube.com/watch?v=H7Exyy0ygkk
そして法定点検の日に、ついでに修理しようと計画した私は、当日、紙ヤスリの320番、600番、絵の具筆、絵の具パレット、ボロTシャツのウェス、ティッシュ、ビニール袋、古新聞、ホコリを落とすハケをリュックに入れてから、ディーラーに入庫しました。
そこで借りた自転車に乗り、東急ハンズに行って、各一個324円の黒色のアドカ
ラーとベースを購入。
(それらは一般小売りはしておらず、通販かハンズかの択一らしく、通販は地方では結構送料がかかるようです)
ハンズから帰ると、ほぼ点検は終了しており、コーヒーを飲んで完了。
点検費用は14,000円。毎度痛い所ですがキャッシュで支払います。
それから移動して、必須部材の「アルコール」をドラッグストアで購入。
エタノール500mlが、1,027円。
これは、アドを塗り付ける部分を、アルコールで拭いておくと、油分が取れて、アドのノリが良くなるそうで、必須工程だそうです。なのでこれも購入。
(今から考えると、小さい100mlのビン入りアルコールで足りたと思います。500mlは結局ほとんど残ってしまいました。死ぬまでに使い切れるのか?砂糖を入れたら飲めるのでしょうか?)
そして、水で溶かして塗る為に、ミネラルウォーターのペットボトルを購入し、中を飲み干して、水道水を詰めてから、全ての用意は整いました。
そこから近所のホムセンの、駐車場の隅ッチョに陣取り、作業を開始。
革ハンドルの痛んだところを、紙やすりで磨き、ボロTシャツにアルコールを吸わせて数回拭き拭き。パレットに、黒色のアドカラーを出し、補修材のベースと混ぜ、アイスクリーム用の木のさじで、ハンドルの穴に盛っていきました。
後で苦しむ事になるのですが、終いには、ネット情報の通りに「指」ですくって
ベッチョリ塗り始めました。
あらかたハンドルに盛り付けた後、今度はシフトノブにモリモリ。納得いくまでモリモリした後、乾くまで、トイレに行ったりしました。
20分くらい後、乾いた頃だと、紙ヤスリ600番でゴシゴシ。
ビチョー。「ぬおーッ、まだ乾いてねぇッ!」
調子に乗ってモリモリし過ぎてしまったため、ハンドルはデコボコに膨らんでし
まい、乾くまで時間がかかりそうです。
既に午後2時前。
最長でも4時くらいまでには、帰って夕食の用意をしなければ、インスタント麺の夕食になってしまう。しかも、米炊いてねぇ。
焦った私は、シフトレバーからゴシゴシ開始。
ビチョー。
「ギャーッ、こちらも乾いてねぇーッ!」
仕方なく、ノブはその場でやり直しの、生乾きの全はがし。
当日中に全作業の終了は、不可能だと推測。
シフトノブは外して持って帰って、家で作業する事に決定。全工程2日、当日と
翌日で作業を分ける事にしました。
初日の残った時間で、ハンドルの乾いた部分を、出来るだけ整えておきます。結果ヤスリ掛けは、ほぼ1時間で、時刻は3時半。
タイムアップで、ホムセンから引き上げ、自分の駐車場に収めると、シフトノブを外し帰宅しました。
<画像は修復後、この部分中央が穴あきガサガサ状態だった>
夕飯を食べた後、ノブを出し脱脂後、落ち着いて、水でアドカラーを溶いてか
ら、筆でヌリヌリ。
ノブの一番の問題は縫い目。
塗るのは良いが、縫い目が樹脂で埋まってしまうのは、変なので、縫い目を避け
て、数回重ね塗りして終了しました。
<画像は修復後>
塗料の盛りが薄かったのか、ノブ表面はデコボコが残り、キレイな仕上がりには
なりませんでした。が、運転中は当然手で握って見えないのだから、コレでい
いのダ。という事にしました。
そして翌日昼前。
一日経つと、ハンドルのモリモリは、良い具合に固まっていました。
今度は、家電量販店の駐車場の隅ッチョに停めると、ハンドルのモリモリ部分をゴシゴシ整形開始です。
ゴールデンウィークの結構入っている家電店の駐車場で、オジサンがハンドルを真剣に延々こすっている状況を、我ながら心配しましたが、通報される事もなく、7割方、加工終了。
ドアを開けてのハンドル裏面の仕上げ作業が必要なため、もっと広い所に場所変
え。今度は、近くの港湾地域で、長距離トラックが止まって睡眠をとっている様
な、あまり通行が無い道路で、ゴシゴシ開始。
微妙繊細な形を出していくと、結局、ほぼ元の革ギリギリまで削る事になりました。一番完璧な方法は、ハンドルを外して家に持って帰り、絵の具筆で重ね塗り、
というのが良いと思います。指で塗ると後が大変でした。
そしてヤスリ掛けをすると、テカリが無くなり、周囲の革と合わないので、最
終的に、薄く塗って終了。
その日は、強風が吹く日で、イベントのテントが飛んだりする事故が起きた日
で、ドアを開けて作業したので、ホコリ入りまくりで、散々な環境だったのです
が完成。その日割りと早目の3時30分までには帰宅出来ました。
ハンドル、ノブの塗装修復で、用意、作業、片付け、道具の洗浄等の合計時間
は10時間。費用は、材料費合計1,167円。コスパ最高のDIYなのでした。
自分流でまとめると、
①紙ヤスリ320番で軽く補修先をならす程度に削る。
②アルコールで、補修先を清掃する。
➂重症の穴あきは、補修材とアドカラーを混ぜて、埋める。
④軽い損傷部分は、アドカラー単体を水で溶き筆で重ね塗り。
⑤盛った部分は、ひたすら削り出し。あんまり盛り過ぎない。
⑥最後、全体を、水溶きアドカラーで調整塗り。
完成部分をアルコールで拭くと、溶けるので注意。
という感じで、完成しました。
<初体験の割りには、ここまで仕上がります>
完成後に困る点は、樹脂は手汗を吸わないので、暑くなる時期は、グリップが滑りやすくなる事。それとちょっと手触りがネチャッとしている事。
他に不具合は無く、1,000円程度で、これだけ補修できるのならやった方が良いと思います。
さて、今年の28年度自動車税を支払いました。
昨年度39,500円
本年度45,400円
5,900円の値上げ。ワシをプティコロス気か?
乗ると罰せられているのでしょうか?
民意の反映によって選出されていない者達の思惑で、まるで買い替えを促すように、車の所持を難しくしていく。
それはエコでは無く、過去の工業製品の歴史や、蓄積された技術を、壊していっ
ているとしか思えません。
結果、現在売っているモノに、こだわりはドコにも無く、美しさも無く「誰もが」乗れる平均点の、単なる機械になってしまった。
なので、カーナビゲーション、レーダー波自動ブレーキに、レーン逸脱防止ブ
ザー、縦列駐車用カメラ諸々の「補助装置」が標準になり、適性の無い者までが運転出来てしまう方向に進化しています。
「多くの命を守る為に、なんでもっと真剣に運転しない?」
業界と立法府は、その未来を自分で閉ざしている気がします。もう産業としては末期なんだろうと思います。
さて、ひとまず修理は成功。
かなり簡単に修理できるので、革製品の修理に困っている方には断然おススメの修理法なのでした。
またやって来た15年目の車検の日。2017年度の総費用はいくらに?こちらの記事もどうぞ!
cocoro-hobbies.hatenablog.jpでは、次の更新まで!