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我慢なので。懐古中年、Goes on!

無職を続ける、好き嫌いの激しい中年が、80’sアニメ、音楽、映画等、趣味を懐古しながら、日々の生活を節約し、我慢を続けて行くブログ。

「鬼太郎と女郎の唄」です。

 みなさん、こんにちわ。水の心です。

今日は「鬼太郎と女郎の唄」です。

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漫画家「水木しげる」氏が、2015年11月30日逝去されました。

 

 私が水木氏の漫画で現在所持しているのは

ほるぷ平和漫画シリーズ「総員玉砕せよ!聖ジョージ岬・哀歌」

ちくま文庫「劇画ヒットラー

 また、読後喪失していますが、

小学生の頃に購入した「妖怪大図解」

(赤と黒のインクの2色刷りの独特な小学生向けの図鑑本でした)

 約20年前に読んだ、水木サンの生活や家族についてのエッセイ集(題名は不明)

ちくま文庫悪魔くん千年王国

です。

 

 私の水木氏との出会いは「ゲゲゲの鬼太郎」の再放送でした。

小学生の頃、夕方、土間で母親が食事の支度をしている音を聞きながら視聴していました。

 

 憶えていたのは、

兵隊が出て来た事。

大きなミミズが出て来た事。

宝珠の様な物をめぐるストーリーで、非常にさみしい記憶だけがありました。

たまに楽しい気持ちを吹き飛ばす、強烈に悲しいストーリーが放映されるのが、70年代アニメです。

 

 それから、数十年。

 

インターネットで調べると、その回は1971年に放映された

第2期「ゲゲゲの鬼太郎

 37話「地相眼」

でした。

 

 あらすじは

外地から復員した兵隊「ヤスイ」は、同じ部隊だった「カナイ」元曹長と、

闇屋(合法非合法にかからわず物品を手に入れ、物々交換や街で売りさばく事)をしようと思い立ち、その夜は2人で神社の跡地で野宿する事になった。

 

そこにあった1トン爆弾の落下穴から騒ぎ声がするので穴の中に下りてみると、

そこは妖怪の国だった。

 

恐ろしさから逃げ廻っていると、妖怪「天文方位観測所」に迷い込む。

そこには「天・水・地」の全てがわかるという「光る玉」が置いてあり、うっかりヤスイの「へそ」にその一つがくっつき取れなくなってしまう。

 

 その後、このくっついた「光る玉=地相眼」の超能力のおかげで、一大財閥になるヤスイ。しかししばらくして妖怪の国から「大ミミズ」がやって来て「地相眼」の10年後の返還を要求します。

 

その返還条件は、

ヤスイの命とヤスイ財閥全財産の没収。

または、一人息子「ヤスオ」を「地相眼」に変える事。

 

ヤスオは財閥の息子で不自由がなく、労働者革命を唱える学生運動には相反する事を自覚しており、また父ヤスイの財閥経営にも空虚を感じており、どこにも居場所が無い。

それゆえ、自らその地相眼になる事を希望する。

 

という話です。

 

 その中で、非常に強く残ったセリフが、

「命より企業が大切
人間より経済が大切

そんな父さんから逃げたかった」

 

(地相眼に自分がなれば)

「これなら父さんの役に立って逃げられる」


「勝つか負けるか、二つに一つの経済競争しかない国に、

いつから日本はなってしまったんだろう」


「日本人はいつから集団発狂して、エコノミック気違いになってしまったんだろう」(放送時セリフまま)

 

「どうしてみんなもっと幸せな、人間らしい生き方が出来る方向に行かないんだろう」

 

と小さな地相眼になりストーリーは終わります。

 

「地相眼」はTVオリジナル話では無く原作があり、その時、水木氏は日本人の狂乱振りを把握していたのだろうと思います。

そして私が視聴した再放送が1970年代中半だったとして、その後40数年かけても、日本に進歩は無く、増々ひどい状態になりました。

もともとあった良い所をつぶして、一部の者が都合よい世界に変える。

妖怪より、人間の方が恐ろしい。

 

 そしてもう一つ思い出に残るのが

2007年NHKドラマ「鬼太郎が見た玉砕~水木しげるの戦争~」です。

既に古本屋で「総員玉砕せよ!」は購入していており、それがドラマ化されるという事で本放送時に観ました。

 

 「総員玉砕せよ!」を描き始めるキッカケになった水木サンのおかしな体験と戦地での記憶を織り交ぜながら、作品を完成させていくというストーリーです。

 

 まず主人公、丸山「香川照之」氏の面白体当たりの演技。

水木兵隊漫画で「ビビビ」といえば、ビンタです。何かあると主人公「丸山」は、軍曹にビッタンビッタン張り手を食らいます。

芝居的には「バチーン」ではなく、押す様な感じで張るのですが、それでも実際にしていて、それを何回も受ける香川氏も大したもんだと思いました。

 

 そしてドラマのクライマックスに「女郎の唄」を丸山達が歌います。

一人の指揮官の早まった玉砕(全滅突撃)命令の下、生き残った兵隊達は後方へ一時撤退。

しかし、全陸軍に玉砕公式発表をしたため、引っ込みがつかなくなった上層部から、死刑と同意義である再度の突撃を命じられる、撤退した将校。

 

あるものは自殺し、あるものは自決を強要され、

とうとう一番下の兵隊達は、再度の突撃を行います。

その直前、景気づけに歌う唄が、この「女郎の唄」です。

 

「私は廓(くるわ)に散る花よ 昼はしおれて 夜に咲く

ミソソソ ソラソミソ ドミレドラ  ソラソ ドレミソ レミソミレレ

私はなぁんでこのような ツラい勤めをせにゃならぬ

ミソソソ ソラソミソ ドミレドラ  ソラソ ドレミソ レミソミレド

 

嫌なお客を嫌われず 鬼の主人の機嫌取り

私はなぁんでこのような ツラい勤めをせにゃならぬ

これも是非ない 親の為

 

嫌なお客を嫌われず 鬼の古兵の機嫌取り

私はなぁんでこのような ツラい勤めをせにゃならぬ

これも是非ない 国の為」

 

という売笑婦の唄の兵隊替え歌です。

 

 原作漫画でメロディはわからなかったのですが、生きていく上でいつもツラい時にはこの歌詞が浮かびました。

「わたしぃはなぁんで このような~」

ドラマのおかげで、やっと唄う事が出来ました。

 

 また漫画の中の部隊は実際に存在した部隊で登場人物も実在。

実は水木氏が「丸山」2等兵だったそうです。

 

 たった一人のうかつな命令で、数百人が自殺させられる理不尽な軍隊。

帰ってくれば、そんな苦労を忘れ、自分一人が豊かになるために、人を蹴落とす経済戦争。

 

 子供の頃に観た鬼太郎、青年の時に読んだ兵隊漫画そしてドラマ。

解釈はアレかも知れないけど一生私は忘れないと思います。

それでは、次の更新まで!